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電波警報とは?

電波警報・電波予報とは, 電波通信状態が不安定になっている場合, もしくは不安定になるであろうと予想された場合に, 電波通信利用者に対して提供する警報・予報情報のことです. 警報・予報の発令を迅速に実施するには, 電波伝搬に影響を及ぼす太陽面現象・地磁気変化・電離層変化に関する最新の情報をより早く, より多く収集する必要がありました. 現在, 情報通信研究機構が行なっている宇宙天気予報は電波警報からはじまりました.

日本の電波警報に関わる取り組みは, 昭和20年(1945年)7月頃に, 文部省学術研究会議のもとに結成された短波無線障害予知班により始められました. これは間もなく終戦を迎えるとともに中断されましたが, 昭和24年(1949年)12月に電波庁電波部資料課によって電波警報が再開されました.

最初の電波警報は, 標準電波JJYに「W(激しい通信嵐)」「U(不安定な状態)」「N(平穏な状態)」のモールス符号の重畳発射により, 通信状態を電波利用者に状況を知らせることから始まりました. その後、昭和26年(1951年)6月には電波警報業務を強力に推進するため, 茨城県の平磯電波観測所に警報係が設置されました. 本サイトでは、1951年ごろから警報・予報の発令のため毎日行われていた予報会議での考察の記録や観測データなどを公開しています。

現象記録表(Solar Activity Chart)

本サイトで公開しているチャートは, 1978年1月から1998年に郵政省 電波研究所 平磯支所超高層研究室が, 電波警報・宇宙天気予報業務のために作成したものです. チャートが作成されていた当時の電磁波研究所は, 国際ウルシグラム世界日業務(IUWDS; International Ursigram and World Days Service)の西太平洋地域センターとして, 世界各国で観測された各種の資料(ウルシグラム)を, 毎日, 国内外とテレックスにより交換していました. チャートは, 毎日テレックスで入電するIUWDSの黒点情報(USSPS), フレア(UFLAE), テンフレア(TENFLAE), 柿岡の地磁気(MAGNEKA), 平磯のSWF, 理化学研究所の宇宙線(UCOSE)などの各種観測データを見やすくまとめ手書きでグラフ化したものです. 27日毎のバーテルス太陽回転周期番号(Bartels Solar Rotation Number)ごとにチャート紙に記入されています. 太陽フレア警報(SOLAR ALERT)を発令した日には赤線, 地磁気じょう乱警報(MAG ALERT)を発令した日は青線が引かれています(チャートの見方). 1998年以降はデジタル化され太陽地球環境情報チャートで公開されています.

警報日誌(Forecast & reports)

本サイトで公開している警報日誌は, 通信状態・太陽活動・地磁気活動等に関する警報および予報を発令するために毎日実施されていた予報会議での考察記録やデータを当時の担当者が記載したものです. 国内外の資料や, 平磯支所で観測された太陽黒点・太陽電波・地磁気変化・電界強度変化などを合わせて, 太陽活動・地磁気活動・通信状態に対する検討が毎日行われていました. 警報日誌には, 電波警報の太陽フレア予報および地磁気活動予報の発令記録が残されています.

1951年から1992年まで41年間の警報日誌の書式の変遷.
1951年の警報日誌のファイルの写真
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